今年10月に亡くなられた「黒人公民権運動の母」
Rosa Parksさん。
お付き合いのあるブログでも各所で取り上げられていましたが、恥ずかしながらこの方のことを知りませんでした。
そしたらちょうど、追悼企画ということで、先日(12/10(土))NHKにてCBS制作のTVドラマ
"Ride to Freedom -Rosa Parks Story"が放送になりましたので、良い機会なので見てみました。
ローザ・パークス物語
(2002年)
出演:アンジェラ・バセット、ピーター・フランシス・ジェームス他
【あらすじ】
1918年、アメリカ南部に生まれたローザ・マコーリーは、6才のときにモントゴメリー女子職業訓練学校に入学。モントゴメリー・フェア・デパートのお針子として働くようになったローザは、理髪店で働くレイモンド・パークスに求婚され結婚。ささやかながらも幸せな日々を過ごす。
学校時代の同級生ジョニーがNAACP(全米黒人地位向上協会)で働いていることを知ったローザは、自らもボランティアで働き始める。黒人に対する理不尽な扱いへの憤りが日ごとに増す一方だった。
1955年12月1日。ローザはついに自分の信念を貫く。満席のバスに乗ってきた白人のため席を譲れと命令した運転手に対し、ローザは指示に従わなかった。逮捕され有罪となるローザ。これに対し、モントゴメリーの街の全黒人が立ち上がる。赴任してきたばかりの若い牧師キングを中心に、黒人の自由と平等を求めてバス・ボイコット運動がはじまったのだ。
【感想】
実在の人物を演じる女優さんといえばこの人、
Angela Bassettが聡明で知識欲にあふれるローザ役を熱演していました。
3年前のドラマなので、アンジェラも40代だと思いますが、若々しいですねー!
実は、ローザさんはもっとアグレッシブなタイプの活動家だと思ってたのですが、そうではなかったようです。もちろん不公平な「人種隔離政策」に激しい怒りを感じ、NAACPで活動はしていましたが、素顔の彼女は、良心的で信心深いごく一般の市民でした。
でも、彼女の
「バス・ボイコット事件」が、その後の運動の大きなきっかけになったということで、勇気ある女性として賞賛を浴びることになったようです。彼女自身が運動家・・・というより、「公民権運動の母」的な存在だったんですね。
しかし・・・この時代のアメリカ南部の差別の酷さには、胸が苦しくなります(>_<)。
公園の水飲み場、バスの昇降口や座席など、さまざまなものが
白人用と有色人種用とに区別されていて、黒人は衣類や靴を購入するときの試着が許されず、選挙の有権者登録も白人とは違う手続きを必要としたそうです。
作家の
山田詠美さんが
「アメリカの古き良き時代として50年代~60年代を挙げるのは、白人だけだ」と言ってましたが、本当にそうだな・・・と思いました。
1956年、合衆国連邦最高裁判所が、「人種隔離政策は違憲」という判決を下したそうです。
それから約50年。実際のところ、白人が持つ「意味のない優越意識」はそう簡単に消えないかもしれません。でも、ローザ・パークスさんが逮捕という代償まで払って言った一言、「No!」という言葉の重みは、忘れずにいたいですよね。
大変遅くなったけど、改めましてご冥福をお祈りいたします。